廃棄物の下取り行為について
下取り行為は自社運搬として許可不要とされている。
下取り行為については、「新しい製品を販売する際に販売者が商習慣として同種の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集運搬する行為については、従来より下取り行為として産業廃棄物収集運搬業の許可は不要」とされています。
これは、従来からある商習慣として認められている考え方で、以下の通達において明記されています。
平成25年3月2 9日 環廃産発第 13032910 号
[産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)]
https://www.env.go.jp/hourei/add/k041.pdf
下取りとして使用済みの製品を回収する行為は、商習慣として一般的なものだと思います。
新しい製品を購入した人は、それまで使用していたものは不要だと考えることが多いため
・廃棄物では?
・他の人が排出した廃棄物を運搬する場合には、許可が必要では?
と考えるところですが、従来からある商習慣のため「許可」は不要とされているようです。
なお、下取り品は、販売者が販売という事業活動に伴って排出された廃棄物であることから、下取りの際に収集運搬する行為は自社運搬として許可が不要と考えられています。
それでは、一度下取りをしたものを、さらに製造メーカー等に下取りしてもらう場合はどうでしょうか。
下取り品を処分する場合廃棄物としての扱いが必要
例えば、自動車修理工場では、車の修理に際してバッテリーを交換する場合、バッテリーを下取り(修理を依頼した人に対して処分費用を請求せず無償で引き取る等)することが一般的だと思います。
一方、バッテリーメーカーは、お客さんである自動車修理工場から、新品のバッテリーの販売に伴って、廃バッテリーを下取りするということもよくあるケースだと思います。
このような場合、下取り品をさらに下取りする、つまり、自動車修理工場がお客さんから下取りしたものを、さらに下取りするということが起こり得ります。
この場合も、下取りの例外として「産業廃棄物の収集運搬業の許可は不要」として整理できるのでしょうか?
通達等を見つけることはできなかったのですが、以下の大阪府のQ&Aが参考となりそうです。
大阪府Q&A http://www.pref.osaka.lg.jp/jigyoshoshido/report/faq_1.html
Q2 販売事業者が下取りした使用済み製品をさらに下取りする製造事業者は排出事業者になるか?
A2 製造事業者が排出事業者になることはできません。下取りは、あくまでユーザーに納品した販売事業者の顧客サービスであって、廃棄物処理法の特例として認められており、販売事業者に排出事業者責任があります。販売事業者が下取りした時点で使用済み製品は販売事業者が排出した産業廃棄物となりますので、それを製造事業者や卸売業者が引き取る場合は、例え無償であっても産業廃棄物の処理委託となって廃棄物処理法の委託基準が適用されます。
上記Q&Aによると、下取りした時点で下取りしたものは販売店の廃棄物となるので、以降は廃棄物としての取り扱いが必要ということになるかと思います。
そのものが、「産業廃棄物」であり、運搬や処分を第三者に委託する場合
- 産業廃棄物の収集運搬・処分の処理委託契約
- マニフェストの交付
などが必要になり、「一般廃棄物である場合」も許可業者への委託が必要になると思われます。
製造メーカー側で下取りをするケースもあるようですが、どちらかというと廃棄物として適正に処理を委託するほうが間違いはなさそうですね。
以上は、私が個人的に調べた内容をまとめたものであり、内容の正確性については責任を負えません。また、各自治体等によって見解が異なる可能性があります。