農業用廃棄物の回収について
農業用廃棄物は農業協同組合等が集荷場所を提供し一括契約で処理することが可能
農家で使用している廃棄物の一部は、産業廃棄物に該当するものがあります。
例えば、
・農業用廃プラスチック類(ビニールハウスやトンネル、マルチ、ポリ容器、波板、育苗箱、肥料や農薬の空袋・容器等)
・廃農薬(期限切れ農薬等)
・釘、針金、鉄管
・機械の部品、廃油
・ハウスの廃資材(鉄骨等)
等です。こういった産業廃棄物について、個別の農家さんが産業廃棄物の収集運搬業者・処分業者と契約し、処分を委託することは大変手間がかかることだと思います。
その為か、地元の農業協同組合が定期的に集積場所を提供し、回収を行っているケースがあります。このようなケースは廃棄物処理法上どのように整理されているのでしょうか。参考になる通知として以下の通知がありました。
産業廃棄物管理票制度の運用について(通知) 環廃産発第110317001号 平成23年3月17日
https://www.env.go.jp/hourei/add/k033.pdf
以下、通知の一部を抜粋すると・・・
管理票の交付については、例えば農業協同組合、…のように、産業廃棄物を運搬受託者に引き渡すまでの集荷場所を事業者に提供しているという実態がある場合であって、当該産業廃棄物が適正に回収・処理されるシステムが確立している場合には、事業者の依頼を受けて、当該集荷場所の提供者が自らの名義において管理票の交付等の事務を行っても差し支えないこと。なお、この場合においても、処理責任は個々の事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託契約は、事業者の名義において別途行わなければならないこと。
上記の通達によると、集荷場所を提供している農業協同組合等が代わりにマニフェストを交付してもよいと示されています。ただし、委託契約は事業者(農家)の名義で別途行われなければならないとされています。
そこで、各農家から委任状の提出を受けて、農業協同組合等が一括で契約を締結しているというのが一般的?なんだと思われます。
委任状に基づき、産業廃棄物処理委託の一括契約については、大阪府のQ&Aに考え方が記載されていました。
大阪府のQ&A http://www.pref.osaka.lg.jp/jigyoshoshido/report/faq_5.html
Q40 事業者が所属する団体が個々の排出事業者に代わって契約することができるか?
A40 次の1から5の要件をすべて満たす場合において、個々の排出事業者が事業者団体に契約締結に関する権限のみを委任状を交付して委任するのであれば、事業者団体が個々の排出事業者に代わって契約を締結することができることとします。ただし、この場合でも、産業廃棄物の排出事業者責任は、あくまで個々の排出事業者にあることに留意してください。
1.事業者団体は、同一業種の構成員で構成される法人格を有する団体であること。
2.団体の構成員のみから委任を受けること。
3.委任状は、委託する処理業者(収集運搬業者、処分業者)、処分方法及び委託する産業廃棄物の種類を明記したうえで、契約締結権限についてのみ委任する内容とすること。
4.委任状には、団体に契約締結権限を委任しても、廃棄物処理法の排出事業者責任は個々の事業者にあることを明記すること。
5.団体が処理業者と締結する契約書には、排出事業所の一覧を添付すること。
以上は、私が個人的に調べた内容をまとめたものであり、内容の正確性については責任を負えません。また、各自治体等によって見解が異なる可能性があります。